月桃のちから

薬膳、中医学からみた月桃

月桃の存在を知ったのは、前職でサプリメントの企画担当をしていた時、

その一環でお茶の商品を作ることになり

メーカーの方から紹介してもらったのがきっかけでした。

かれこれ20年以上前です。

その頃は「きれいな名前だな」程度にしか思っておらず(すみません)

最近、再び月桃の存在、月桃茶が気になる私です。


薬膳(中医学)としては、手持ちの文献でも資料があまりなく、

分かっていたのはショウガ科、ということで

体を温めるのは間違いなさそうだな・・程度。


そこで調べてみると、色々と面白いことがわかりました。


月桃はショウガ科ハナミョウガ属

種子は『白手伊豆縮砂(しろでいずしゅくしゃ)』と呼ばれ、

古くから健胃薬として使われてきたそう。

この白手伊豆縮砂は、

『伊豆縮砂(ハナミョウガの種子)』の「一種」という位置付け。


伊豆縮砂(ハナミョウガ)とは、

生薬の『縮砂』の代用として日本で使われていたこともあるそうで。

(品質があまり良くないというので現在は生薬の代用にはなっていないとか?)


さらに踏み込んで、縮砂とは、とくに脾胃によく働くとてもポピュラーな生薬で

辛・温で脾胃を温めて、脾胃の働きを整え、香りで気を巡らせる働きがあります。

消化を助け、脾胃の気滞によるお腹の張り・痛み・吐き気・食欲不振などに効果があります。

(より上質なのものは『砂仁』と呼ばれる)


記号が適切かどうかはやや疑問ですが

各々の「生薬としての力関係」としては


砂仁 > 縮砂 > 月桃 


といえそうです。


回りくどくなりましたが、

月桃は、生薬の縮砂・砂仁には及ばなくても、脾胃を調える力があることがわかりました。


逆にいうと、縮砂・砂仁は生薬なので、普通には手に入れるのが難しい。

ですが、月桃、特に月桃の葉は、沖縄ではとても身近なもので

健康・長寿祈願のための縁起物として、

餅を月桃の葉で包んだ「ムーチー」を食べる慣習があったり、

香りは虫除け効果があるとして活用されるなど

暮らしの中に根付いた、親しみのある薬草です。


普通に手に入るハーブティーとして月桃茶を日頃から飲む方が手軽で、

作用もやさしく、日々の養生としてはとてもおすすめといえます。


▷食欲があまりない、お腹の調子が悪くなりやすい方

▷冷たい飲食などでお腹が冷えがちな方

▷梅雨〜夏の季節、脾胃に湿が溜まりやすい時季の養生として


こんな方にぜひ月桃茶をおすすめします。



参考資料

『中医臨床のための中薬学』(神戸中医学研究会編著/東洋学術出版社)

福岡市薬剤師会( https://www.fpa.gr.jp/herbdb/265/ )

薬草と花紀行のホームページ (https://yakusoutohana.shop-pro.jp/?pid=131006499 )

東邦大学薬用植物園 見本園 (https://www.lab2.toho-u.ac.jp/phar/yakusou/mihon/hanamyouga.html)

オリオンビール (https://www.orionbeer.co.jp/story/gettou/)